おっさんの韓国生存記

韓国で住んでいる中年の男です。

韓国、そして40歳

僕は、29歳から32歳までは韓国のソウルで、33歳から38歳までは日本の横浜みなとみらいで、39歳以降は韓国のソウルで仕事をしている。韓国の最大手メーカーの一つである現在の会社で、かれこれ11年以上仕事をしてきた。営業、マーケティング、経営企画と分野も多種に渡っており、学校では経験できないような成長機会をもらってきたと思っている。要はビジネスの基本を仕込んでもらった。そして現在は、経営企画、通称FP&Aとして任務を遂行しているのだが、アカウンティングの知識が弱いことを自覚しているので、アメリカの会計関連の資格を目指して勉強もしている。

僕は現在40歳だ。40歳になる頃には何者かになるものだと思っていたが、結果的には何者にもなれず、会社にすがりついている枯れ果てた社員になってしまっている。毎日の通勤が苦痛で、この歳になってまで誰かに指図や注意をもらいながら仕事をしている自分を見ていると、時折惨めな気分になってしまう。上の世代からも下の世代からも厳しい視線が投げかけられているようで、社内コミュニケーションすら億劫に感じる。そろそろ、このような生活を終わらせる頃合かな、と静かな確信が心の中で芽生え始めている。

じゃあ、どうする。という質問から始まり、米国株式投資による配当金フローの構築、ブログ収益化の本格化、米国会計士関連の資格をとることによる専門性の証明、英会話練習の再開、など、自己啓発のための本格的な動きを始めている。30代後半にはこのような考えには至らず、日本の行政書士の資格を目指して独立を考えていた時期があったが、勉強が甘かったせいで複数回受験したものの受からず、韓国へと来てしまった。韓国に戻ってきた頃は、日本にいる間に何も成しえなかった自分に対する嫌悪感に苛まれ、うつ病、不安症、注意力障害などを訴えながら精神科へ向かった。現在進行中でADHDの治療を受けている。

韓国ではNジョブという言葉が流行しているが日本で言う副業のことだ。韓国でもインフレーションが継続して進む中、給料が上がらないため、日常の生活と老後の蓄えに対する極度の不安に、皆が苦しみもがいている。ブログ、不動産投資、株式投資、自営業等、日本と同様、多くのサラリーマンが複数の収益を得ようと忙(せわ)しなく努力している。僕も例外ではない。韓国の厳しいビジネス界で、どうやって生存していけばよいのか、追加収入を得るためにはどうすればいいのか。毎日のように読書をして、オンライン講義を聞いて、英語のレッスンを受けている。正直疲労感を感じることが多い。いっそ安楽死でもできればと考えてしまうこともある。

40歳を節目に退化していく中、意味もなく走り続けるハムスターのような人生が、とても無価値なものに見えてならず、これ以上生きて何の意味があるのだろうかという疑問を抱きながら、今日もハムスターのように闇雲に走り続ける。とりあえず、今やろうとしていることの方向性は間違っていないだろうし、行政書士に受からなかったことに対する悔しさも、より一層レベルの高い資格を目指すことでとりあえずは隠れてくれた。走る心の燃料はまだ少し残っている。何者でもない僕が、日本と韓国、そして世界を舞台に、どのように生き残っていくのか、少しづつ記録して、反省して、静観しながら、ただ、生きていくのだ。